リノベーションした我が家の撮影

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獅子ヶ口の家 打ち合わせ室より奥をみるリノベーションをした我が家の撮影に、写真家のSさんに来ていただきました。(左の写真はSさんではなく、旦那が撮影したものです)

リノベーションの記録エントリは、一向に進んでませんが、工事は今年の夏に完了しています。概要は、築約30年のマンションの7Fにある、面積80㎡、4DKを全面改装し、6帖和室、LDK、仕事部屋(旦那用)、仕事コーナー(私用)、打ち合わせ室、納戸としたものです。詳細は、リノベーションのエントリでご紹介を続けようと思いますが、とりあえあず自分達で撮った素人写真を2、3日のうちに別サイトにアップする予定ですので、よろしければご覧下さい。

建築を撮影している写真には、竣工写真、建築・インテリア雑誌に載せるような写真、一般の人向けの写真、と種類がいろいろありますが、それそれの目的が異なるため、撮り方が随分違います。

竣工写真は、工事終了後に、大抵は記録用に撮影するものです。必要な室・空間・設備が、必要な面積、天井高で、指定の材料・仕様で設計図通りに作られていることがわかり、全体の空間構成が分かるように撮影するのが、主な主旨です。置き家具や、そこで過ごすための物品など、一切無い状態で写すのが普通です。

建築・インテリア雑誌に載せるような写真は、竣工写真に比べて、建築の空間の美しさや面白さを伝えることに、より主眼を置いています。ですから、映って欲しくないような設備機器はわざとアングルからはずしたりしますし、家具や、添景・植物などである程度雰囲気を出します。光の入り具合や、外部との関係なども含め、いかにその建築・インテリアをよく見せるか、面白いアングルはないか、ということを考えます。

一般の人に見せる写真は、空間の全体構成が分からなくても、雰囲気が伝わることに重点が置かれます。ですから、空間の一部分を切り取ったアングルになる事が多いと思います。レストランでは、気持ちよさそうな場所で、お料理をおいしそうに食べている、という雰囲気を写す必要があるでしょうし、ホテルや住宅では、こんな居心地のいいコーナーでこんなファブリックや雑貨に囲まれて過ごしています、というような事を伝える写真になります。撮影の際には、雰囲気作りの為の小物や植物などが非常に重要になります。

Sさんによると、竣工写真をとる人と、より美しさをもとめる写真を撮る人とでは建築やインテリアの見方が随分ちがうそうで、竣工写真ばかり撮っていると面白い写真を撮れなくなる人が多いそうです。竣工写真を撮っても、建物を非常に良く写せる人もいらっしゃるそうですが、やはり、美しさを求める写真を撮ろうとすると上手くできないそうです。Sさんは、雑誌で飲食店を紹介するような仕事をされていたり、面白い空間を撮影することに興味があるそうですが、時々は竣工写真っぽいものをとったりもされるそうで、私達の今回の撮影目的である、「仕事の記録かつクライアントに見せるための写真」の為にはぴったりの方なのではないかと思います。

撮影は、高々80㎡といえども、朝からほとんど夜まで続きました。非常に集中力を要する大変な仕事だと思いました。グラフィックデザイナーが絵の構図を決めたり微妙な色や線の太さをあれこれ検討しているときの、集中力はものすごいと思いますが、それと同じように、アングルを決め、何を画面に入れて何をはずすか、など、非常に繊細な検討を3次元で行い、写真独特の光や色の出方も頭にいれて、シャッターをきる、という作業には膨大なエネルギーがいると思います。撮影できる日も決まっていて、太陽や光ののタイミングを考えると、延々と検討するわけにもいかない。しかもその日の内に、何十カットもとる、ということも合わせると、ホント、疲れると思いました。

撮影は無事終了しましたが、今回自分達で反省したことがあります。あまり小物を飾ったりする趣味はもともとないのですが、ファインダーを覗いてみると、あまりにもそっけない空間になっているのです。いくら建築を美しく撮るための写真と言えども、クライアントに見せるのですし、もう少し、演出にエネルギーをかけるべきでした。観葉植物は、竣工してすぐに撮影するなら良かったのでしょうが、もう随分形が崩れてきていますし、小物で演出しようとしても、もともと手持ちがありません。キッチン・ダイニングなども、食器や調理器具をさりげなく並べて写すと雰囲気が出るのですが、撮影時に気づいても、うまくディスプレーするにはもう時間がないのでした。。。

Sさんは、空間を面白いと思って下さったようで、また別のカメラを持って写しに来ます、と言ってくださいました。その時にはもっと演出を考えておこうと思います。

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