Renovation S町のすまい(3)中古マンション選び2

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さて、具体的に今回選んだ中古マンションですが、まずは建築された年代について。「新耐震設計法」が導入された1981年というのが一つの判断基準になっていて、それ以前と以降の建物では、阪神淡路大震災時の被害状況に明確に差が出ています。だけど年代が新しいほど価格が上がるのは当然ですし、新しくても基準を無視して建てられたいい加減な建物もあります。また。古くてもその当時の考え方でしっかりと作っている建物もあります。予算の少ない私達が選んだのは1972年築の物件ですが、大手商社企画のマンションシリーズの出始めで、力を入れてきちんと作ってある印象の物です。年代は古いですが震災時の状況や現況の建物の様子、周りの建築物の状況等あわせてみて、まあ大丈夫でしょう、と判断しました。でも実際巨大な地震がきたら、あやしいかもしれません。

マンションが大量に建ち始めた頃で、まだプランなどは模索段階だったのではないでしょうか、今なら同じ広さの後々のマンションなら面積効率を考えて、切り詰めてしまうような洗面脱衣・洗濯機スペースなどに妙なゆとりがあり、もったいないという考えもありますが、実際は色々な雑物が置けて結構使えます。

水廻りは本当は外気に面して窓があればベストなのですが、妻住戸で無い限り、スパン(間口)が狭いプランの場合は、外気に面するようにするには水廻りを共用廊下側に持って行き、逆に1室を行灯部屋(奥まった和室等)にする、というパターンになります。私達の選んだプランは一般的な水廻りが家の中心にあるというプランです。

特筆すべきはDS(ダクトスペース)があると言うこと。洗濯機置き場のところに給湯器があり(今ならまずありえないです)、その換気も兼ねて、DSがあるのと、キッチンの排気用DSがあり、部屋の中をダクトが通っていないのです。つまり、家の換気を窓側でなく、DSで行っていて、じめじめしがちな水廻りがカラッとしていますし、天井に大きなダクト用の垂壁ができることもありません。ただ、別の階の匂いがあがってくるのがどうかな、と思います。幸い浴室洗面のDSからは、石鹸や入浴剤等の匂いなので臭くないですけど、ときどきお香のにおいがしたりします。キッチン側も本来は、強制換気しなくてもいいはずですが、他の階が強制換気をしているので、こちらもしないと、他の階の料理の匂いがあがってきます。

おそらく、効率を考慮して、共用DSを採用する物件はなくなっていったのでしょうけれど、いろいろ試した年代だったのでしょうね、面白いです。ついでなら、アメリカのようにセントラルヒーティングにしてもらいたかったのですが、ガスや電気代の高い日本では無理だったのでしょう。

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