町家拝見・ステキなご夫婦・プチ同窓会 その1

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大学の同期のB君宅に数名集まってプチ同窓会でした。建築家B君は京都の町家に少し手を入れて住んでいるのですが、よくテレビで見るような「大改造」ではなく、町家のよさをそのまま、というより、手を入れることでより町家らしくなっています。この度お引越しされるので、最後のお披露目でした。

B君の奥さんは著名なエッセイスト・作家のAさん。Aさんにお会いできるのも楽しみにしていました。Aさんは、思ったより小柄で華奢な方で、つんと高いお鼻が品の良いお顔立ち、とっても素敵でした。B君は修士・ドクターの頃は裏千家のお茶を習い、今は表千家、それもお家元の息子さんに習っているそうで、B君もすごく詳しいし、AさんもNHK趣味悠々の関係で表千家のお茶を始められ、ご夫婦で、茶懐石まで習ってらっしゃるとのこと。素敵だなあ。Aさんのエッセイや本を読んでも分かると思うのですが、京都で、季節を味わい、様々なことを学びながら、日々の生活そのものを、楽しんでらっしゃるのがわかります。

私もそういう生活に昔から憧れているのですが、一般的には、日々の生活の為に仕事をしているのだけど、仕事の為に日々の生活豊かにすごす時間がとれない、という人がほとんどだと思います。季節の地のものを使ったお惣菜を日々作り、お料理に合った器に盛りつけ、お花を生けて、季節に合わせて建具を入れ替え、庭木の手入れをし、その時々にあった着物を着て・・・。そういう生活そのものをお仕事として心置きなくおくる事のできるAさんを、うらやましいと思うと同時に、忙しい中でその生活を維持されるのは、やっぱり他の仕事と同様に大変であることは想像できます。

おもてなしいただいたお料理は、すべてB君とAさんが用意されたお惣菜で、とても美味しかったですし、器や盛り付けも美しく、家の中も隙がなく整えられていました。町家の、土間のお台所をそのまま使ってらして、素敵だけれども、寒いし、流しや五徳置き場が低いので腰に負担がかかるでしょうし、ここまで生活を徹底されていて、すごいな、と思いました。

皆話に夢中になって、気が付いたら電車がなくなる時間になってしまい、帰る前に大急ぎでおうちの中を見せてもらいました。B君は仕事のお付き合いで有名な左官やさんとお知り合いだったりして、今はほとんど手に入らない大阪壁の土が、清水寺の修復の後、少し残ったのでお茶室に使ってもらったり、希少な木目の天井板が使ってあったり、自分で床板を貼り、漆塗りをするなど、「大改造」云々のような大味で、ここどこ?というような改修ではなく、町家を見つめた、町家の生活を味わうための、大人の改修がしてありました。京都の町家は寸法規格がよくできていて、建具等はそのままはずして、別の建物に使えるのですけど、そういう建具のなかから合うものを選んで使用されています。そういう建具が流通しているのが、さすが京都、と思いました。もう最後だから、ということもあって、「Japan Style: Architecture+Interiors+Design」に掲載されています。アメリカで最近に発売されたようで、日本でも2/22から発売されているようです。

次のお引越し先は、図面を見せてもらいましたが、かなり大きなおうちで、今手を入れているところだそうです。出来上がりが楽しみです。

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